インターネットの映画配信で脅かされる映画館業界は今後どうなるのか?

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昔の映画館といえば都会の中心部にいくつもの独立した劇場が点在し、どの映画を見るかによって映画館を選びながら渡り歩くのが映画ファンの楽しみでした。

 

そのようなスタイルの映画館は近年すっかり影を潜め、1990年代には大手配給会社のシネマコンプレックスという複合映画館が台頭。現在はこのシネマコンプレックスが映画館の主流となっています。

 

それだけでなく、時代の流れによって映画というエンターテイメントもその役割や性格が大きく様変わりしました。

 

かつては、春休み、夏休み、GW、お正月といった大型連休に、多大なお金をかけたいわゆる「大型映画」が配給され、日本の有名映画シリーズがギネス認定を受けるほど日本人にとって映画は身近な贅沢として定着していました。

 

しかし、インターネットの普及でエンターテインメントのコンテンツが多様化。動画配信サービスの映画配給や自宅テレビの大型化など、気軽に自宅で映画を楽しめるようになり、わざわざお金と時間を使って映画館で映画を観る人が少なくなっているのです。

 

映画館が今後、どのような道に進むのか?映画というエンターテイメントツールは単なるデジタルコンテンツとなってしまうのか?を検証していきましょう。

 

第1章 映画の進化

 

かつての映画は2D画面が主流で、自宅のテレビで見る映画との違いを映像ではなく画面の大きさと音量・音質で勝負してきました。しかし家庭用テレビの大型化や音質の向上により、自宅での映画鑑賞の環境は格段に向上。そのメリットは小さくなりました。

 

さまざまなアトラクションを備える遊園地がリニューアルしないと淘汰されているのと同じように、顧客の獲得に必死の映画館も3Dや4D、VRといった新技術を取り入れ、立体映像で楽しめるアトラクションを取り入れたりと生き残りに懸命です。

 

それ以外にも、最近の映画館では昔流行ったドライブインシアターでプライベート空間を楽しんだり、子どもの遊べるスペースを設けた子供向け映画専用のホールなど、新しい企画を打ち出しています。

 

しかしそれらの導入には多額の費用がかかるだけでなく、撮影側も立体映像で映画を撮る際のコストや手間がかかり、すべての映画が立体映像で放映されてはいません。

 

第2章 動画配信サービスの脅威

 

いまやインターネットの普及によって、いつでも何処でもPCやスマホなどを使って映画を見ることができるようになりました。この動画配信サービスの利用も右肩上がりの成長を見せており、映画館の最大の脅威となっています。

 

今までのように、映画の上映からかなりの時間が経ってからビデオやDVDが販売、レンタルされるというサイクルから、映画上映が終了してすぐに配信されるものも少なくありません。しかも、低価格で1か月見放題など、映画を映画館で観るというメリットが増々無くなている現状を打破するには更なる映画館の特徴を活かした差別化が必要となります。

 

第3章 ライブビューイングや爆音映画館

 

映画館の最大のメリットといえば、やはり大画面と大音量。臨場感あふれる画面と爆音を出せるサラウンドシステムです。いま、これらを活かした映画や音楽ライブを映画館で楽しもうという試みがなされています。

 

プラチナチケットのようなコンサートでも、比較的とりやすく、また安く見ることが可能。ロックコンサートのような空気感はなくとも、大勢のファンと一緒にその時間を楽しむことができるのはライブビューイングの大きなメリットになります。音響を楽しむという点では、アクション映画で普段よりも音のボリュームをあげて映画を楽しむ爆音映画館もコアなファンから支持を得ています。

 

このように、今後のエンターテインメント業界で映画館が生き残るには、他のコンテンツにはないメリットを最大限に活かし、映画だけでなく老若男女が楽しめるアトラクション的な要素を取り入れていくことが重要ではないでしょうか。

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