いま、新型コロナウィルス拡大の影響で、大小問わずライブハウスやコンサートホールで行われるライブや演劇、スポーツイベントが中止または延期され、世界最大のイベントである東京オリンピックさえも延期されるというショッキングな出来事もありました。
これからも、まだしばらくの間は人の密を避けるためにエンターテイメントの業界は、コロナ禍の影響を受けながらの興行を余儀なくされそうです。
実際に東京の劇場が演劇活動を再開した矢先に、その劇場でクラスター感染が発生してエンターテイメント業界に激震が走ったことは記憶に新しいところ。その後に、この業界に見切りをつけて廃業したライブハウスやアーティストの方もおられました。
ライブ活動には、コロナ禍で最も重要視されるソーシャルディスタンスを保つと収益化することができないという弱みがあります。リアルな観客が望めない中で収益を考えながらライブ活動を行うには、オンラインによる「ライブ配信」が今後のポイントになるでしょう。
今回は、ライブ活動の今後を左右するといっても過言ではない、オンラインによる「ライブ配信」について検証してみます。そして、エンターテイメント業界の方の参考になれば幸いです。
オンラインのライブ配信とは?リアルタイムとストリーミング配信でWの収益化が可能!
今年の6月、サザンオールスターズが横浜アリーナで無観客によるライブのオンライン配信を行い注目を集めました。しかも、その際には8つのメディアを通じて配信するという、国民的ロックバンドの偉大さをも見せつけました。
実際に今回のライブ配信では3600円のチケット購入者が約18万人で約50万人が視聴したといわれており、興行的にも大成功を収めたといえるでしょう。これにより、他のアーティストもライブ配信を追随して行うことでライブ配信サービスの拡充も進むと考えられます。
リアルタイム配信とストリーミング配信
ライブ配信には大きく分けて2つの種類があります。それは「リアルタイム配信」と「ストリーミング配信」で、ともにインターネット環境が整った環境であればスムーズに視聴することができます。
リアルタイム配信は、まさにリアルタイムで行われているイベントを動画で配信するものです。ストリーミング配信は録画された動画をダウンロードせずに視聴するものです。
リアルタイムのライブ配信では臨場感とプレミアム感を演出できますし、ストリーミング配信では、タイムラグを解消できて利便性を追及出来るという点でそれぞれにメリットがあります。
コロナ禍では政府もエンターテイメント界を応援している!
このライブ配信では、政府による後押しもありました。それは、コンテンツグローバル需要創出等促進事業費補助金といわれ、海外へ向けての日本発のコンテンツをライブ配信することを促進させる狙いで、令和2年度の補正予算として878億円の大金を計上しています。
その内容としては、新型コロナウィルスの拡大にともない公演を中止や延期したイベントに対し、これから実施されるライブ公演開催や収録映像を活用して動画を作成し、海外へ配信するための費用の一部を補助するのが目的です。
これは、世界を舞台にして日本のエンターテイメントブームを創出することで、エンターテイメント産業の海外での展開を拡大し、訪日外国人観光客を促進するためのものです。
そして、政府発のクールジャパン戦略を後押します。オンラインを使ったライブ配信は海外展開も容易に出来るので、国内外の市場を拡大し、今後の日本のエンターテイメント界のさらなる成長に寄与することを目指しているのです。
海外向けのライブ配信コンテンツとは?音楽だけではない日本文化も発信!
政府が後押ししている補助においては、「公演」と「配信」の条件を満たすことが必要です。その中で、音楽や演劇、伝統芸能と芸能といった幅広い分野を対象にしています。
そんな中でも、音楽や演劇、アニメ産業は海外でも広く受け入れられやすいため、今後の更なる発展が期待できるジャンルです。
ライブ配信というサービスは、個人や法人を問わず様々なコンテンツが提供されています。
また、ユーザーのニーズやウォンツの千差万別なためにより多くの需要が予測されます。
そのような中でコロナ禍という在宅時間が増えている今、オンラインに接する機会が伸びている状況ではオンラインライブを家族で共有できるというメリットは、巣ごもり需要を掴み取る最大のチャンスです。
今後、ライブ配信というコンテンツが社会に定着することで、さらに大きな成長を遂げることは容易に想像できます。なぜなら、演劇やライブなどのイベントは、その会場の収容人数やリスクマネジメントの観点からも都市の中央部から大きく外れる開催は不可能であり、そこから外れる地域の人の集客には限界があるからです。
このように、これまでは各種イベントに参加しにくかった人々が今後の新規の顧客となることで新たなオーディエンス開拓が見込まれ、その未来性がエンターテイメント業界に一筋の光をもたらすのです。
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