【2025年12月9日〜12月15日】薬機法・景表法 週刊アップデート

薬機法・景表法

今週の薬機法・景表法に関する重要なニュースをお届けします。

📑 今週のアップデート内容

今週(12月9日〜15日)は、消費者庁および厚生労働省から新規の措置命令や重大な発表はありませんでした。

年末を迎え、2025年の薬機法・景表法違反事例を振り返り、年末年始に向けた広告表示のチェックポイントをお届けします。

今週のフォーカス

  1. [年末総括] 2025年の景品表示法違反措置命令まとめ
  2. [実務ガイド] 年末年始の広告表示チェックポイント
  3. [制度解説] 薬機法改正施行後の状況レビュー

📌 今週のハイライト

1. 📊 [年末総括] 2025年の景品表示法違反措置命令まとめ

2025年の措置命令件数: 5件

日付企業名違反内容違反類型
10月17日NOVA入会金キャンペーン二重価格表示(有利誤認)
10月15日テレビ新広島ラーメンイベント優良誤認(初出店表示)
11月5日アイリスプラザ日用品101商品原産国表示違反
11月5日ダイユーエイト日用品113商品原産国表示違反
11月28日ツルハグループMD日用品79商品二重価格表示(有利誤認)

2025年の特徴:

1. 二重価格表示違反が多発

  • NOVA、ツルハの2件
  • 「通常価格」での販売実績がないケースが問題視
  • 過去8週間のうち4週間以上の販売実績が必要

2. ECサイト関連違反の増加

  • 5件中4件がECサイトでの違反
  • システム管理不備が原因
  • デフォルト設定の確認不足

3. 大手企業でも違反

  • 全国展開する大手企業が複数
  • 企業規模は免責理由にならない
  • システム管理体制の重要性

4. 原産国表示違反の顕在化

  • アイリスプラザ、ダイユーエイトの2件
  • ECモールのデフォルト設定が「国内」
  • 214商品と大規模な違反

👉 消費者庁 景表法関連ページ


2. ✅ [実務ガイド] 年末年始の広告表示チェックポイント

年末年始は最大の商戦期: 12月〜1月は消費者の購買意欲が高まる時期であり、広告表示のミスが重大な違反につながりやすい時期です。

チェックポイント1: 期間限定表示

❌ NG事例
「年末限定!」と表示しながら、1月も継続
「クリスマス特価」が12月26日以降も続く

✅ 正しい対応
「12月25日まで」と具体的な期日を明記
期間終了後は必ず価格・条件を変更

チェックポイント2: 二重価格表示

❌ NG事例
通常価格: 10,000円
年末特価: 6,980円
→ 通常価格での販売実績なし

✅ 正しい対応
過去8週間のうち4週間以上、通常価格で販売
販売実績を記録・保管

チェックポイント3: 在庫表示

❌ NG事例
「在庫わずか!」と表示しながら十分な在庫
「完売間近」が恒常的に表示

✅ 正しい対応
実際の在庫数と整合性を確認
在庫状況をリアルタイムで反映

チェックポイント4: 福袋・初売り表示

❌ NG事例
「○万円相当」の根拠が不明確
「必ず入っている」が虚偽

✅ 正しい対応
商品の価格根拠を明確に
内容物を正確に表示

年末年始の緊急チェックリスト:

□ 全広告媒体(Web、チラシ、店頭POP)の表示確認
□ 「年末限定」「初売り」などの期間限定表示の根拠確認
□ 二重価格表示の販売実績確認
□ 在庫状況との整合性確認
□ 福袋の内容物表示の正確性確認
□ 原産国表示の確認(ギフト商品)

3. 💊 [制度解説] 薬機法改正施行後の状況レビュー

11月20日施行から約3週間経過:

薬機法改正の施行から約3週間が経過しました。現時点で厚生労働省から重大な違反事例や指導事例の公表はありませんが、各事業者は新体制での運用を継続しています。

施行された主要項目の再確認:

  1. 医薬品品質保証責任者・安全管理責任者の法定化
  2. 特定医薬品供給体制管理責任者の設置
  3. 供給停止・制限報告の義務化
  4. 役員変更命令の対象拡大

年末年始の確認事項:

製造販売業者:
□ 責任者が実質的な権限を持っているか再確認
□ 年末年始の緊急連絡体制は整備されているか
□ 従業員が責任者の役割を認識しているか

薬局:
□ 調剤業務委託が適切に機能しているか
□ 処方箋・調剤録の保存体制は整備されているか
□ 年末年始の営業体制は整っているか

👉 厚生労働省 詳細ページ


💡 今日の薬機法・景表法の学び – ワンポイント集

📌 学び1: 二重価格表示の「8週間ルール」完全理解

2025年に多発した二重価格表示違反:

NOVAとツルハの2件は、いずれも「通常価格」での販売実績がないことが問題でした。

8週間ルールとは?

【原則】
過去8週間のうち、4週間以上は通常価格で販売していた実績が必要

【計算例】
11月1日〜12月26日の8週間で判断:
- 通常価格で販売: 5週間(11/1-12/5)
- 特別価格で販売: 3週間(12/6-12/26)
→ OK(5週間 ≧ 4週間)

- 通常価格で販売: 2週間
- 特別価格で販売: 6週間
→ NG(2週間 < 4週間)

実務での管理方法:

□ 販売管理システムで価格履歴を記録
□ 週次で販売価格と販売数量を集計
□ キャンペーン実施前に8週間の実績を確認
□ 通常価格での販売が4週間未満の場合、キャンペーン延期

📌 学び2: 原産国表示の正確性確保 – ECサイトの落とし穴

2025年11月のアイリスプラザ・ダイユーエイト事例:

214商品で原産国表示違反が発覚しました。原因はECモールのデフォルト設定が「国内」になっていたことです。

ECサイトでの原産国表示管理:

【確認すべきポイント】
□ 商品登録時のデフォルト設定を確認
□ 「国内」「日本」が自動選択されていないか
□ 全商品について原産国を手動確認
□ 仕入先から原産国証明書を取得
□ 月次で原産国表示を監査

複数ECモール出品時の注意:

□ 各ECモールごとにデフォルト設定が異なる
□ Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングで個別確認
□ 統一的な確認プロセスを構築
□ 商品マスターデータで一元管理

📌 学び3: 確約手続制度の活用 – 2025年の新しい選択肢

2025年2月26日に第1号認定:

かたぎり塾のケースが確約手続の第1号として認定されました。

確約手続とは?

違反被疑行為について自主的に是正計画を作成・申請し、消費者庁から認定を受けることで、措置命令と課徴金を回避できる制度です。

確約手続のメリット:

措置命令ルート:
- 企業名公表(違反認定)
- 措置命令
- 課徴金(売上の3%)
- レピュテーション大幅低下

確約手続ルート:
- 企業名公表(違反認定ではないと付記)
- 措置命令なし
- 課徴金なし
- 返金措置で顧客からの信頼回復

活用のタイミング:

理想: 消費者庁の調査開始通知を受けた直後
  ↓
確約手続を希望する旨を相談
  ↓
確約計画の骨子を準備

遅い: 弁明の機会付与通知を受けた後
  ↓
確約手続は利用できない

📌 学び4: 年末年始の広告審査体制強化

年末年始は広告出稿が集中:

12月〜1月は広告出稿量が最も多い時期であり、審査体制が手薄になりがちです。

年末年始の審査体制:

【推奨体制】
□ 通常時の2倍の審査人員を配置
□ 外部専門家(弁護士)による事前チェック
□ 緊急時の連絡体制を整備
□ 年末年始も審査対応可能な体制

過去の年末年始違反事例:

よくある違反:
- 「初売り限定」が1月中続く
- 「福袋○万円相当」の根拠不明
- 「在庫わずか」が恒常的に表示
- 「年末特価」の通常価格実績なし

2026年1月の事前対策:

12月中に実施すべきこと:
□ 1月の広告計画を全て洗い出し
□ 期間限定表示の終了日を明確化
□ 二重価格表示の販売実績を確認
□ 福袋の内容物を確定・表示準備
□ 原産国表示を全商品で確認

🔍 今週の総括

今週は新規の措置命令はありませんでしたが、年末を迎え、2025年の振り返りと年末年始に向けた準備が重要です。

2025年のまとめ:

  1. 措置命令5件: 二重価格表示、原産国表示違反が中心
  2. ECサイト違反が4件: システム管理不備が共通原因
  3. 確約手続第1号認定: 自主是正の新しい選択肢が提供
  4. 薬機法改正施行: 11月20日から新体制スタート

年末年始に向けた行動:

  • 全広告媒体の表示を緊急点検
  • 期間限定表示の根拠を確認
  • 二重価格表示の販売実績を検証
  • 原産国表示を全商品で確認
  • 広告審査体制を強化

2026年に向けて: 2025年の措置命令事例を教訓に、広告表示管理体制を抜本的に見直す時期です。特にECサイトでの価格管理・原産国表示は、システム的な監査体制の構築が不可欠です。


💡 次回更新: 12月23日(月)

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