政治とエンタメは、一見すると全く相反したものに思えます。しかし、日本だけでなく世界的に見ても、いま政治家がエンターティナーのようにSNSやメディアに登場しています。
このような現象はITインフラが整い始めた頃から顕著にみられ、SNSなどでも政治家本人が積極的に利用し、その思いを発信しています。
若者の政治離れが叫ばれていた昭和から平成にかけての時代に比べると、選挙に投票に向かう若者の数は増加傾向にあります。そして、積極的に政治や経済、環境問題を考える若年層が増えていることを考えても、政治とエンタメは今後も切っても切れない間柄になることは間違いありません。
また、政治をネタにしたYou Tuberやお笑い芸人が人気を博したり、歌詞に時事ネタを取り入れる歌手は今も昔も大物的な扱いを受けています。
そこで今回は政治とエンタメの関係を整理し、今後どのようなに関連していくのかを検証してみましょう。
第1章 政治家はエンターテイナー?
最近のニュースでは、政治家がTwitterに投稿した言葉が非常によく登場します。
その代表格がアメリカ合衆国大統領のトランプ氏ではないでしょうか。特にアメリカのように“自由”を全面的にウリにしている国は、右派左派を問わずに両極端とも思えるような発言で世論を煽るような風潮があります。
日本においては今まで、あまり極端な発言は受け入れられにくいところがありましたが、アメリカの影響もあってか、最近では特に極右・極左的な政治家が街頭だけでなくオンラインを使って過激な発言をくり返しています。このように政治家が極端な発言をくり返すことは、いわゆる“炎上”を目的とした政治のエンタメ化で今まで政治に興味のなかった無党派層の獲得を狙ってのこと。それ故に、あまり現実味のない公約や政治的意味のない問題を大きく取り上げてマスコミを賑わせています。
第2章 エンターテインメント業界と政治
前章とは逆に、エンターテインメント界の芸能人やお笑い芸人がテレビやオンラインで政治を語ることも増えています。今まで、政治に関連した発言をするのはフォークシンガーやロック歌手の専売特許のような風潮がありましたが、最近ではお笑い芸人が漫才やコントのネタに政治的な問題を取り上げることも珍しくなくなっており、政治家と同じように、政治ネタに敏感に反応するオーディエンスの炎上を見越したネタ作りが目につくようになりました。
しかし政治家という公人があえて炎上を狙うのと違い、お笑い芸人や芸能人がその炎上リスクを犯してでも政治ネタを口にするのは一定の利益もあると言えるでしょう。
それは、手っ取り早く有名になれて、上手くいくとテレビに呼ばれることが増える可能性があるからです。現にそれを上手く利用して成功したお笑い芸人もいます。
第3章 欧米の政治とエンターテインメント
欧米ではかなり昔から政治とエンターテインメントやポップカルチャーの深い結びつきがありました。それは、戦争や宗教、人種問題が政治と絡み合っていて、日本とは少し違うリアルな意味合いがあったかもしれません。フォークソングやロックミュージック、映画などで、そのような社会問題を取り上げた作品が今も名作として数多く残っています。
日本でも、これまでのような「大手のマスコミの報道が真実の全て」といった考え方が、インターネットニュースやSNSなどの浸透によって変わりつつあります。そんな今だからこそ、日本でもスポンサーに忖度しないエンターティナーが政治などの問題提議を積極的に行い、次世代へバトンタッチすることも大切と考えます。
第4章 日本のエンターティナーと政治問題
世界の情勢が東と西で揺れ動き、その主権が欧米からアジア・中東へ移り変わろうとしているいま、日本のエンターティナーが政治に関心を持ち、積極的に観衆に訴えることが重要な時代になりました。実際に最近の日本では、インテリジェンスに富んだエンターティナーが増えており、その的を射た思考が注目を集めることもしばしば。逆に、YouTuberがアクセスを稼ぐために選挙に立候補するという本末転倒な人もいますが、それはほんの例外。
今後も報道番組や政治の特番にお笑い芸人やエンターティナーが起用されることは増えることがあっても減りそうもありません。いまエンタメ界にいる人やこれからエンタメ界に参入しようと考えている人も、政治や経済などの広い視野を持ち、自分なりの考えをもつことが大変重要になることでしょう。
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