マーケティング|2026/9/26|羽田野 剛士

古民家リノベーションは「完成後」より「相談前」が難しい|LHubでつなぐ見学・相談・契約後

古民家リノベーション事業で、LINEとLHubを使って資料請求、見学予約、相談、契約後の連絡を一続きにする実務設計を解説します。

最終更新:2026/9/26

Read this article in English →

古民家リノベーションの魅力は、図面や価格表だけでは伝わりません。梁の太さ、光の入り方、建具の手触り、地域の空気。その価値は、現地で初めて理解されることがあります。

一方、事業者側から見ると、最初の問い合わせから現地見学、資金相談、設計、工事、引き渡しまでの期間が長く、連絡手段も散らばりがちです。問い合わせはメール、見学予約は電話、資料はPDF、契約後は個人LINE――この分断が、見込み客の離脱と担当者の負担を同時に生みます。

そこで考えたいのが、LINEを単なる告知媒体ではなく、相談前から契約後まで続く「顧客導線」として設計することです。

空き家900万戸時代でも、相談は自然には増えない

国土交通省が紹介する2023年の住宅・土地統計調査では、国内の空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最高です。国も全国版の空き家・空き地バンクを支援し、物件の流通と利活用を後押ししています。

ただし、物件情報が公開されることと、改修の相談が円滑に進むことは別問題です。

古民家には、一般的な中古住宅より確認事項が多くあります。耐震性、断熱、雨漏り、シロアリ、接道、用途変更、補助金、工事費の幅。検討者は興味を持っても、「何から聞けばいいのか分からない」状態になりやすいのです。

事業者が最初に売るべきものは工事そのものではありません。まずは、安心して質問できる入口です。

LHubで整えるべき4つの接点

1. 資料請求を「名簿集め」で終わらせない

LINEの友だち追加後、最初に長い営業文を送るのではなく、検討段階を選べる簡単なフォームを用意します。

回答をLHubの顧客情報やタグとして整理すれば、全員に同じ案内を送る必要がなくなります。「物件探索中」の人に工事契約を迫らず、「所有物件あり」の人には現況確認の準備物を届ける。入口での小さな分類が、その後の会話を自然にします。

2. 見学予約の前に、不安を減らす

見学予約は日時を確定するだけでは不十分です。前日までに、集合場所、駐車場所、所要時間、服装、雨天時の対応、子ども同伴の可否をまとめて送ります。

古民家は一般住宅と異なり、足元が不安定な場合や冷暖房が十分でない場合もあります。注意事項を先に伝えることは、体験を損なうのではなく、信頼をつくる行為です。

LINE公式アカウントは国内月間利用者数が1億人に達しており、日常的に確認される接点です。LHubで予約情報と顧客情報をつなげれば、予約者だけに必要な案内を届けやすくなります。

3. 見学後24時間以内に「次の一歩」を示す

見学直後は関心が最も具体的になっています。しかし、ここで担当者からの個別連絡だけに頼ると、忙しい日に対応が遅れます。

見学完了を起点に、次の選択肢をLINEで案内します。

大切なのは、全員をすぐ商談化しようとしないことです。「まだ決めない」という選択肢を用意すると、関係を切らずに済みます。

4. 契約後も同じ窓口を使う

古民家改修では、解体後に追加対応が必要になることもあります。工程写真、仕様確認、打ち合わせ予約、追加見積もりなど、連絡量は契約後にむしろ増えます。

営業時のLINEと契約後の連絡先を分けすぎると、顧客は「誰に聞けばよいか」を迷います。LHub上で担当、案件段階、確認待ち事項を整理し、顧客から見た窓口を一貫させることが重要です。

自動化してはいけない部分もある

便利さを求めるほど、すべてを自動化したくなります。しかし、古民家は一棟ごとの差が大きく、法令・構造・費用を一律に断定できません。

自動化に向くのは、予約確認、準備物、一般的な流れ、担当者への引き継ぎです。耐震性、補助金の適用、最終費用、工期などは、調査前に確約しない運用が必要です。

また、住所、図面、所有状況、資金情報などを扱う場合は、取得目的、閲覧権限、保存期間を明確にし、LINEのトークだけに情報を残さない設計が欠かせません。

最初の30日で見るべき数字

導入直後から売上だけを追うと、改善点が見えません。まずは導線の詰まりを測ります。

LINE登録数が増えても、相談や見学につながらなければ意味はありません。逆に、登録数が少なくても、誰がどの段階で止まっているか分かれば改善できます。

まとめ

古民家リノベーションでLHubが役立つのは、建物の魅力を派手に見せるためだけではありません。資料請求、見学予約、相談、契約後の連絡を一続きにし、長い検討期間の途中で顧客を迷わせないためです。

古民家の価値は、一斉配信だけでは伝わりません。一人ひとりの検討段階に合わせて、必要な情報と人の対応をつなぐ。その地道な設計が、建物を次の世代へ残す事業の土台になります。

参考情報

更新日・著者