電子処方箋は薬局の9割以上へ:クリニックが今確認したい5つの運用ポイント
2026年5月時点で電子処方箋は薬局の9割以上に導入。クリニック側が患者導線、重複投薬確認、受付対応、障害時運用、院内教育で確認したい実務ポイントを整理します。
令和8年度診療報酬改定に伴う施設基準・届出資料が更新。医科診療所が要再届出、新設基準、様式更新、院内担当、証跡管理で確認したい実務ポイントを整理します。
厚生労働省は令和8年度診療報酬改定に関する説明資料、施設基準、届出関係資料を公開・更新しています。地方厚生局でも、令和8年度改定に対応した基本診療料・特掲診療料の届出様式や、医科診療所向けの施設基準届出チェックリストが案内されています。
診療報酬改定というと点数の増減に注目しがちですが、クリニック実務では「算定要件を満たしているのに、届出や院内管理が追いついていない」という方が直接的な収益ロスにつながることがあります。
改定資料を一度読んで終わりにするのではなく、現在算定している項目、新たに算定したい項目、再届出の要否、必要な記録を一覧化して管理することが重要です。
施設基準は、届出時点だけ条件を満たせばよいものではありません。人員配置、診療実績、研修、設備、掲示、記録など、項目ごとに継続して要件を満たす必要があります。
さらに改定時には、名称変更、新設、要件変更、経過措置、再届出の要否などが混在します。過去に届出済みという理由だけで従来運用を継続すると、改定後の要件との差を見落とす可能性があります。
最初に行うべきなのは、院内で現在算定している施設基準を一覧にすることです。
請求担当者だけが把握している状態では、院長、事務長、現場スタッフが要件変更に気付きにくくなります。施設基準名、届出日、受理番号、主な要件、院内責任者を一つの管理表にまとめておくと確認しやすくなります。
改定では、新たに施設基準が設けられたものと、既存基準の要件が変更されたものでは対応が異なります。また、変更内容によっては改めて届出が必要なものと、一定条件下で再届出が不要なものがあります。
「改定された=全部出し直す」「以前届出済み=何もしなくてよい」という一律判断ではなく、項目ごとに公式資料で確認する必要があります。
厚労省の診療報酬改定ページでは、通知や様式が訂正・更新されることがあります。地方厚生局のページでも、令和8年度改定に対応した届出様式が掲載されています。
過去に院内保存していたExcelやWordをそのまま再利用すると、古い様式を使ってしまう可能性があります。提出時には最新版を公式ページから取得する運用に統一した方が安全です。
書類上は要件を満たしていても、実際の運用が一致していなければ問題になります。
たとえば人員、研修、掲示、診療時間、実績、記録方法など、施設基準で求められる条件が現場で継続して満たされているかを確認する必要があります。
届出書をファイルに保管するだけでなく、「この要件を院内のどの運用で担保しているか」まで紐づけると確認しやすくなります。
施設基準の管理が属人化すると、担当者の異動や退職で更新漏れが発生しやすくなります。
院内では、届出書、受理情報、研修記録、勤務表、掲示物、実績集計など、要件確認に使う証跡の保存場所を統一し、定期確認を行う責任者を明確にしておくことが重要です。
令和8年度改定では、厚労省から施設基準届出チェックリストが案内され、地方厚生局でも医科診療所向けチェックリストの活用が案内されています。
この種のチェックリストは、届出直前だけに使うのではなく、院内の定期点検にも活用できます。
少なくとも次の項目を一枚で管理できると実務的です。
診療報酬改定では、新設項目や点数変更そのものに目が向きやすい一方、実際のクリニック経営では、算定可能な項目を適切に把握し、要件を満たし、届出を行い、継続管理することの方が重要です。
特に小規模クリニックでは、院長が診療、採用、経営、行政対応まで抱えているため、施設基準管理が後回しになりがちです。だからこそ、改定のたびにゼロから確認するのではなく、一覧表と証跡管理を平時から運用しておく方が効率的です。
HDNでは、クリニックの業務整理、収益構造の見直し、運用設計を支援しています。
本稿は厚生労働省および地方厚生局の公表資料をもとに、HDNがクリニック運営の観点から整理したものです。個別の算定可否、施設基準、届出期限については、最新の通知、所管の地方厚生局等をご確認ください。