日本におけるアニメ産業は、21世紀に入り急速な伸びを見せてきました。これは戦後の高度成長期以降のモノ消費の時代から、経済が成熟したことでコト消費の時代に移り変わったことも大きな要因となっています。
いまや2兆円市場とも言われるアニメ産業ですが、ここ数年、これまではライバル視されていなかった中国などの新興国の参入が相次ぎ、いささかその雲行きが怪しくなっているという見方もあります。そして2020年以降、更なるアジア経済と新興国の発展によりアニメ産業は大きく変わるといわれています。また世界経済の閉塞感から、アニメ業界全体の経済規模の縮小もみられます。
ここでは、今まで日本のエンターテイメント業界の拡大を牽引してきたといっても過言ではないアニメ産業について、今後の展望や参入方法、マネタイズについて検証していきます。
第1章 アニメ産業の未来は?
2020年に入り、相次ぐ自粛経済の中でアニメ産業は大きなダメージを受けました。
春先以降のテレビアニメの制作中断による放送中止や劇場アニメの公開時期の延期。
アニメ関連のイベントやコンサートも軒並み中止され、それ以外にも多くの関連分野に大きな影響がでました。
これまでの10年間で、日本のアニメ産業は今まで類を見ないほどの右肩上がりの成長を続け、2019年には2兆円を超える市場規模となりました。しかし、2020年は確実にその市場規模は縮小するでしょう。
では、今後、アニメ産業はこの経済危機をどのように乗り越えて発展していくのかを検証していきましょう。
アニメ産業の未来を考える
2020年春のコロナショックの突発的なアクシデントにより、アニメ産業をはじめ多くのエンターテイメントのコンテンツ産業はダメージを受けました。
コロナショック以降、今後の回復においては早速テレビアニメの新作がスタートしたり、すでに新しいストーリーが発表されています。
また、今後のアニメ産業において、その業界を支えていくと思われるのが「動画配信のプラットフォーム」です。これから先も増えると予想されるオンラインを利用した在宅ワーカーなど、家にいる人の増加と比例した需要が動画配信サービスには期待されています。
2020年以降は、日本だけでなく世界において動画配信がエンターテイメントの主力になることは間違いないでしょう。
この動画配信プラットフォームにアニメコンテンツを投入しマネタイズとする方法が、今後の市場拡大の波に乗る最良の方法です。
第2章 アニメ産業の需要
アニメ産業がここまで右肩上がりの成長を続けてきたことは事実であれ、悲観的な見方が無いわけではありません。日本のアニメ業界は、一部の大ヒット作によって常に下支えがあったからです。右肩上がりの業界とはいえ、実際には1強か2強のコンテンツが大きな経済を動かしているという側面があったからです。
では、今後のアニメ産業における人気も同じようになるとは思えません。それは、テレビや雑誌、映画が主であったアニメコンテンツの提供方法が、先ほどの動画配信プラットフォームにとって変わることで、よりニッチな作品でも多くの人の目につく機会が増えるという点です。
このようなコンテンツの提供される基本的なプラットフォームの変遷が、今後のアニメ産業の未来を大きく変えることになります。オンライン上で、自分の好きなジャンルの作品を各自が探して購入して見るという時代。良い内容の作品は時代にも流行にも左右されないという現実と、時代に合ったストーリーを持たせること。ここに注力して、どんどん新しい動画配信をしていくことが新たなアニメ産業の主流になるのではないでしょうか。
第3章 アニメ産業のまとめ
このように、これからの数年はアニメ産業にとって業界を左右する時代となることでしょう。中国などの新興国の参入もありますが、中国ではその物語の内容が厳しく規制され始めています。このような表現の自由への監視は、日本では多くありません。これは、アニメ産業においては大きなアドバンテージになります。これからも、アニメ界で活躍するプレイヤーはどんどん現れることでしょう。そして、そのレギュラーとなるプレイヤーは入れ替わっていきます。その中で、洗練されたプレイヤーが生き残り、また強くなっていく。それが、この業界の成長の原動力となっていくことでしょう。
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