パチンコ店でパチンコをしない人がいる?かつて30兆円産業といわれていたパチンコ業界ですが、レジャー白書2019によれば、2018年のパチンコ市場規模は20兆7000億円にまで落ち込んでいます。
パチンコ業界の市場ピークは1995年ころで、この頃の市場規模が30兆円といわれていました。そかし現在は20兆円ほどということは、約25年で3分の2にまで縮小したということです。
今回は、一見すると多くの人が出入りする繁華街のパチンコ店で「パチンコをしない客」が多数いるという現状から、そのような人のパチンコ店の利用について検証していきたいと思います。ぜひ最後までお付き合いください。
第1章 減り続けるパチンコ店
パチンコ業界の衰退の背景にはパチンコ離れが大きいわけですが、その理由には若者がパチンコをしなくなったという事実が大きくあります。ひと昔前には大学生が入り浸っていたパチンコ屋も多くあり、老若男女問わず楽しんでいた娯楽のひとつでした。
しかし、スマホゲームやSNSなどの娯楽が増え、お金の使い方にシビアな世代の若者の多くはギャンブル自体に興味がありません。
またパチンコ業界の傾向として、機種の射幸性もどんどん抑えられており、大当たりもありません。そこでスリリングなギャンブル気分を求めるパチンコ客が減少しているのです。
そんな中ではパチンコ店の数も減っており、ピーク時の1995年頃に全国で1万8000店ほどあった店舗数は、1万店を割りこみ約9000店まで減少しています。
そんなパチンコ店では、客を呼び込むためのサービスも年々充実させています。例えば、パチンコをしない人向けのサービスで、店内には広い休憩スペースを設け、マッサージチェアや、無料の漫画コーナーまである店もあります。
第2章 パチンコしない客とはどんな人たちか
そのようにパチンコ店のサービスが充実するなかで、パチンコは全くせずにパチンコ店に行く人が増えているのです。夫婦でパチンコ店に出かけ、夫がパチンコする間に妻が買い物したり、休憩コーナーでお昼寝したり。また、学生は講義の空き時間に漫画を読みに行ったりしています。
また、綺麗なパチンコ店はサラリーマンの憩いの場にもなっています。さすがに休憩スペースを使うことは少ないが、パチンコ店にはよく行くというサラリーマン。ちょっとトイレを借りるためにパチンコ店に入ることがきっかけとなり、営業でいろんな駅を利用するなか、それぞれの駅周辺にトイレを借りるためだけに行きつけのパチンコ店をもつサラリーマンも多いと言います。駅のトイレや駅に隣接している公共のトイレは汚くて使いずらく、ショッピングセンターや商店街のトイレも混んでいることも多ので、綺麗で空いているパチンコ店のトイレは使いやすく便利なのです。
また、それ以外にもタバコを吸うためにパチンコ店を使うという人もいます。街中の喫煙スペースなどは数が少なく、パチンコ店には椅子もあるし、コーヒーを飲みながらゆっくりタバコを吸えます。帰宅時に最寄りの駅のパチンコ店で一服するのが日課というサラリーマンもおおくなっています。パチンコ店が禁煙化されても、喫茶店や飲食店と違い、喫煙専用の部屋があるので安心して喫煙できるのです。
もちろんパチンコ店のサービスはパチンコ客のためのもので、パチンコをしないのにパチンコ店を利用するのはルール違反ではあります。しかし、それがわかっていても、パチンコ店側としては、いつか客になるかもしれない人に対して出入りを禁止できない。それほどまでに厳しい経営の現実があるということでしょう。
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